長野、東京、群馬の旅からもどって1週間。通常の業務や新しいクラス、打ち合わせ・連絡などで目まぐるしく、あっという間に時間が過ぎていく、、、。旅の疲れも出て後回しになっていたけど、とても濃厚で素晴らし体験をしてきたので、残しておきたいな~と思い、今更ながら書きます。
表現アートセラピーという自己探求
Person-Centered Expressive Arts Therapy
長野県・女神山ライフセンターで開催された『表現アートセラピーWS』に参加。
心理学を学んだ者なら当然知っているカール・ロジャース。
彼の提唱した「来談者中心療法」を土台に、アートや創作、ムーブメントやダンスなど”表現”することを加え発展させ米国・Person-Centered Expressive Arts Therapy Instituteを創設したのが、娘のナタリー・ロジャース。
ナタリーの一番弟子であり、Person-Centered Expressive Arts Therapy Instituteで長年、所長を勤め、現在はカリフォルニアのセブルック大学、大学院で教鞭をとるシェリー・デイビス先生が、今回のWSの講師でした。
「表現アートセラピー」は、芸術表現を用いる心理療法の1つで、発祥の地の欧米では「Expressive Arts Therapy」 と呼ばれています。一般にアートセラピーというと絵画やコラージュ、粘土や立体などの視覚アートを用いた芸術療法(セラピー)を思い浮かべますが、「表現アートセラピー」では、視覚アートに加え、音楽、声、ムーブメント、即興劇、ライティング(書くこと)など多様な表現活動を用いて、ココロとカラダの解放と癒し、自己探求を促します。
ロジャーズ心理学を基礎とし、個人の尊厳を何よりも大切にしたあたたかく安全な環境の中で、アートを通してのびのびと自分自身の創造性や資源に気づく、とても興味深いセラピー。
ここまでいろいろネットで調べたり、書籍によって得た知識。
全く受けたことも観たこともない心理療法のWS、それも2泊3日の合宿に飛び込みました。
アートに造詣が深いわけでもなく、学生時代に様々な心理療法を勉強する中で、ロールプレイなどの”表現”をすることに苦手意識があったのにも関わらず(笑)
ただただ、『ムーブメント』という言葉に惹きつけられ、文字だけの情報だけど、もしかして私のやっていること、やりたいことにとても共通していて、これからにものすごく役に立つかもという直感だけ。
長野の山奥に30人以上もの参加者がいるとも知らず、そして皆様すでにトレーニングコースなどの経験者で知り合いばかり?全く初めてなのは、私だけ。オンリーワンでした。
まるで赤子のように無知なのに無邪気な自分が面白く、こんな山奥まで来たんだから、初めての体験を楽しもうと思えました。
自己紹介からムーブメントが入り、なんだかわからないけどやってみよう、しかない。
ただ、このアプローチは、「温かく支持的な雰囲気の中で、評価、批判、分析のない参加者尊重の姿勢が貫かれる。」ということで、参加するしないも自分の思うままにを保障されていることで安心できました。
久しぶりに何かに没頭して童心に返る自分と、いつでも引いて俯瞰で観ている、相変わらずな自分。
様々なムーブメントや呼吸など身体を通して表現することと、それを何かの形に表現していく創作。
どちらも話す言葉を用いなくても、気づくこと感じることがある。
ワークの1つで、私が作った作品は、ものすごいエネルギーを感じると言われました。
これを作る前に身体を動かし湧き出てきた感情・感覚のまま創作に入ったので、とても楽しかったのですけど、ちょっと怖くも見えます(笑)
作り終わったら、出し切ったのか、もう終わりで切り替えしてしまったのか、「この絵はいらない」と思ったぐらい。
でも後からそれを眺めていて気づいたのが、
自分の目であろう絵の中心につけた赤いドライフライーたち。
それは、
「私にとって、とても可愛くて愛しいものたち。目に入れても痛くない大切な存在。」
作っている時は思わなかった。ただ貼り付けたかっただけ。
解釈はもしかしてその時によって変わるかもしれないけど、そう”感じる自分”に気づくことが大切なのかもしれないと思いました。
WSテーマは『Re Birth 再生』
言葉でうまく表現できなくても自己を探求し、再生・構築してくプロセス。
だからか、作り終えた私は、”次へ”、”前へ”、”新たな”気持ちで進んでいるようでした。
「大切な存在」のために、あるいは共にできることを形にしていこうと。
感情やその奥にひそむものに気づく『パーソンセンタード表現アートセラピー』は、言葉で上手に表現できなくても誰でも安全に安心して参加できます。
それ故に、子どもから高齢者、精神障がいや発達障がいなどの方に向けて、あるいはビジネス領域でも、
その人らしい自己成長をサポートするアプローチ
として、きっと活用できると確信に近いものを感じました。
また、新たな学びを生かしていきたいという思いでいっぱいです。
最終日前夜の満月がものすごく明るくて。
街灯のない山道が月明りに照らされ、ただただ清廉だったことを今でも鮮明に思い出します。
おまけ。女神山ライフセンターのにゃんこと思わず食べ過ぎてしまう美味しいお料理を。