経験から学びは深まる
小樽の絵本・児童文学研究センターに通って2年目ももうすぐ終わろうとしています。
発達心理学や深層心理学を交えて絵本・児童文学を読み解いていく講座は大変興味深く面白いです。
曲がりなりにも心理学畑にいましたが、学生時代には難しくて、テキストを何度読んでもこんがらがっていたフロイトや精神分析などの深層心理学。
実際に臨床ケースに関わらず、テストのためだけに学んでいたようなもの、理解できるわけがないですね。
年明けから深層心理学だけの特別講座に参加していますが、今となって、20年以上様々な障がいのある子どもから大人そしてそのご家族と関わってきたケースがあるからこそ、机上の空論が色形をおび実感をもって理解でき、咀嚼できるているという感覚になっています。
少しずつ積み上げられてきた実践からの知識・テクニークというのは、意識しなくても活きる叡智となっていきますから、経験というのは本当に重要です。
機械と器械の違い
ウィキペディアより、日本語で「機械」は主に人力以外の動力で動く複雑で大規模なものを言い、「器械」のほうは、人力で動く単純かつ小規模なものや道具を指すことが多い。
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機械は、英語ではマシーン(machine)。身近なところで洗濯機、掃除機、ミシン、食器洗浄機など。
器械は、英語ではインストルメント(instrument)。楽器とか器械体操というように鉄棒とか跳び箱とかかな。
機械は、その操作の仕方を覚える、知識理解を求められます。
新しい家電を買って説明書を読んで、操作方法を覚えれば、あとはその機械が期待することをやってくれます。パソコンやスマホも同様ですね。
一方、器械は、それを使いこなす人のもっている力に働きかけるもの。
楽器が上手に弾けるようになる、鉄棒で逆上がりができるようになるとか。
また、積み木やブロックなどのおもちゃもこの種で、遊び方は千差万別、思考や想像力あるいは努力次第でいかように何度でも活用でき、経験を積み上げることができます。
繰り返し繰り返し取り組むことで、「○○ができるようになった」と人の能力を引き出すことが可能です。
身体を通した実感を育てる
利便性や時短など、忙しい日々の負担軽減、よかれと思ってということは多々あります。
あまり便利なもの・ことばかりに任せていると、自分で考える、覚える、そしてその知識理解を活用する知恵が育たないのではないでしょうか。
小さなお子さんが長時間スマホ、タブレット、youtubeを眺めている姿には思うところがあります。
先日、個別ヨガセラピーを受けている中学生がルービックキューブを持ってきたのですが、2人で夢中になってやりました(笑)
彼は、あっという間に6面色をそろえるのですが、私は全くできません。
やり方を教えてくれるのですが、2面まではできるけどその先に行けない。
でも、彼はできる。ということは、私もできるようになりたい!と火がついて、ヨガする時間削って遊びました(笑)
手を使い、角度を変えたり見方を変えて何度も試すという作業は非常に脳を使います。
彼は、私に教える伝えるというコミュニケーションも生まれます。
実際に、ルービックキューブを操作しながら、相手が分かるように説明するというのは非常に高度な言語活動です。
ヨガの時間ではありますが、お子さんの特性や興味・関心に応じて、自発的に取り組める関りを大切にしています。
スマホやタブレットのゲームでは味わえない実感を育てるには、大人が一緒にやる、身体を使う経験を共有することです。
そのための器械は大いに活用したいです。