ヨガの中で、哲学のお話などはほとんどしませんが、ヨガに限らず生きているうえで考える場面はどこにでもあるものです。
ヨガの哲学でサントーシャという教えがあります。
日本語にすると「知足」いわゆる「足るを知る」、「今持っているもので十分、それ以上に求めない」という意味解釈でしょうか。
求めることが全て悪いことではないと思います。
もっと良くなりたい、もっとできるようになりたいなど、もっと強くなりたいなど夢や目標を持つことは、生きていくうえで非常に重要であり、人生に活力を与えます。
物欲のように、「あれがないと。。。できない」とか、「○○さんがもってるのと同じ服が欲しい」などモノを手に入れることが目的になるのとは大きな違いがあります。
獲得することが目的となると、1つ手に入れても、次はあれ、その次はそれ、次々手に入れ続けなければ満足しない、あるいは不安に陥りやすくなっていきます。
ヨガの○○資格がないとできない、、、と思い込み、養成講座ジプシーになるのは、これに近いのではないでしょうか。
足るを知るとは、あるもの、もっているものが生きる・活かせた!という実感があった時に気づくのかもしれません。
学び得たことが応用できた時、たとえ対象が変わっても機転をきかし臨機応変なアイディアが生まれてきた時、すでに「持っている」のだと実感します。
よく、「答えはあなたの中にある」とも聞きますね。
対処療法やハウツーではなく、あなたの頭の中でクリエイトされるものは学んできたことや経験したことから生み出されます。
また、それ以上でもないということです。
自分のできることを知る、という気づきもサントーシャ「足るを知る」であり、それを最大限に生かすことができたときの充足感は感動に値すると実感しています。
○○療法や▽△アプローチなどが蔓延している現代では、いろいろ惑わされてしまいます。私自身も「これを知ってたら役に立つ」とか「○○に生かせる方法なら!」と思い、たくさんの講座を受けてきました。
それらの全てが今に繋がっていますが、実践経験を通じて分かったのは、”基本は一緒”だということ、この基本の部分を丁寧に時間をかける養成講座が少ないのではないかということです。
「障がいのある子ども(大人も含めて)にどのようにヨガを教えているのですか」
とよく聞かれます。
やっていることは、どのクラスとも変わらないヨガです。
どのようにの部分の基本とは、ヨガポーズの捉え方・伝え方において人との関わり方が大きく作用すると思っています。
それが、ハンディキャップヨガ北海道主催で開催する「障がいのある人にヨガを生かす基礎講座」の柱です。
自分のできることを知り、それを最大限に発揮する思考力・想像力・創造性を高める基本的な考え方をお伝えします。
様々な生徒さんのニーズに応えようと試行錯誤しているヨガ指導者、運動指導者、介護や看護に携わる方にもご参加いただきたい講座です。